お子さまが
・飲み物を前にしても口を開けてくれない
・水分をとること自体が負担になっているように感じる
そんな姿を見て、「どうしたら無理なく水分をとれるようになるのかな…」と感じたことはありませんか?
今回は、高校3年生のお子さまが、「好きな音」をきっかけに、水分をとれるようになった成長エピソードを、看護師の立場からご紹介します。
以前の課題 ― 水分をとることの難しさ ―
利用当初は、水分をとることが苦手で、飲水の際に口を開けることが難しい様子がありました。
また、顔を下に向けてしまうことも多く、なかなか飲水が進みませんでした。
一日利用の日でも、摂取できる水分量は200~300ml程度。
「どうすれば、無理なく水分をとることができるのか」が大きな課題でした。
行った支援・コミュニケーションのアプローチ
保護者から「音楽が好き」と教えていただいたことをきっかけに、
・スタッフが歌を歌う
・持参している音の出る絵本を鳴らす
・お子さまの周りで楽しそうな音を奏でる
など、音を使った関わりを取り入れました。
すると、音楽や音に反応して、楽しそうに顔を上げたり、口を開けたりする姿が見られるようになりました。
そのタイミングに合わせて飲水を行うことで、自然な流れで水分をとることにつなげていきました。
工夫したポイント ― 「好き」を手がかりにする ―
今回の支援で大切にしたのは、お子さまが何に喜びを感じるのかを知ることでした。
保護者や支援学校の先生方から普段の様子を教えていただきながら、音楽を流したり、歌を歌ったりと、さまざまな方法を試しました。
その中でも、
「この音にはよく反応する」
「この音楽を聴くと表情が変わる」
といった小さな反応を見逃さず、お子さまの好きな音や音楽を少しずつ探していきました。
「飲んでもらうこと」だけを目的にするのではなく、まずは「楽しい」「心地よい」と感じられる時間をつくること。
その積み重ねが、水分摂取につながっていきました。
変化・成長したこと ― 「好き」が飲水につながる ―
少しずつ関わりを重ねる中で、変化が見られるようになりました。
・音楽や音に反応して顔を上げる
・自然に口を開けられるようになる
・無理に口を開けなくても水分をとれるようになる
以前は口を開けてもらうこと自体が難しかったお子さまが、自分から口を開けて水分をとれる場面が増えていきました。
「好きなもの」を入り口にすることで、飲水への負担を少しずつ減らしていくことができました。
職員として感じた変化
水分摂取ができるようになったことだけでなく、日々の関わりの中で、声の出し方や表情の種類が増えたように感じています。
音楽やスタッフとの関わりを通して、楽しさや嬉しさを表情や声で表現してくれる場面も増えてきました。
言葉で気持ちを伝えることが難しくても、表情や声、身体の動きなどには、その子なりの「好き」「楽しい」「もっとやってほしい」という思いが表れているのだと思います。
私たちがその小さな変化に気づき、受け止めていくことも、大切なコミュニケーションの一つだと感じました。
おわりに
お子さまにとって「好きなこと」や「心地よいと感じること」は、日々の生活を支える大切なきっかけになることがあります。
がじゅまるでは、医療的な視点を大切にしながら、お子さま一人ひとりの「好き」や「心地よい」を見つけ、その子らしいコミュニケーションを支援しています。
次回の「子どもたちの成長の一コマ」も、ぜひ楽しみにお待ちください🌱
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