不安を抱えていたお子さまとご家族が、安心できる居場所で表情をゆるめていくまで ―【生活支援編 × 保育士・児童指導員目線】

「放課後や休日、安心して過ごせる場所があったら…」

「集団の中でうまく過ごせるだろうか…」

そんな想いを抱えながら、お子さまの成長と社会とのつながりを考えておられる保護者さまも少なくないのではないでしょうか。

今回は、新たな集団生活と親子の心の支援をテーマに、ある高校生のお子さまの成長エピソードをご紹介します。

以前の課題 「何が起こるかわからない」不安

これまで放課後等デイサービスの利用はなく、週に数回の学校と、ご家庭で過ごす時間が生活の中心でした。

肢体不自由があり、医療的ケア(胃ろう)を必要とし、視覚は「光がわかるかどうか」という感覚の中で生活されています。

集団の中でイベントや外出に参加する経験は少なく、本人にとっても、保護者様にとっても「初めて預ける」「初めての場所に行く」こと自体が大きな不安でした。

見学や送迎時、お母さまの表情は少し固く、緊張されているご様子が感じられました。

また、お子さま自身も、見えない環境の中で「何が起こっているのかわからない」不安から、手を口元に運ぶような行動があり、強い緊張が伝わってきました。

行った支援・アプローチ

私たちは、最初から療育や集団活動を行うのではなく、「ここが安心できる場所だと感じてもらうこと」を一番に考えました。

まずは、

  • 「ここは“がじゅまる”だよ」
  • 「学校から、みんなで帰ってきたよ」
  • 「ここには、こんなお友だちがいるよ」
  • 「この先生が〇〇先生だよ」

と、耳元でやさしく声をかけながら、場所・人・雰囲気を丁寧に伝えることからスタート。

新しい環境が「わからない場所」ではなく、「少しずつ知っていける場所」になるよう関わりました。

工夫したポイント 距離感を意識した関わり 

このお子さまの場合、見えないことや距離が急に縮まることで不安が強くなる特性を踏まえ、

  • 無理に抱っこや集団の中心に入れない
  • みんなの声が聞こえる場所で、マットの上で過ごす
  • 触れる前には必ず声をかける
  • 手先からそっと触れるなど、関わり方を統一する

といった「安心できる居場所を確保する支援」を大切にしました。

集団に入るのではなく、楽しい雰囲気を“お裾分けする”ような距離感で関わることで、緊張で身体が固まってしまうことや、不安が増幅してしまうリスクを避けました。

できるようになったこと

利用を重ねる中で、少しずつ穏やかな表情を見せてくれる時間が増えてきました。

以前よく見られた、不安から手を口元に運ぶような行動も減り、表情がふわ〜っと緩む瞬間が増えています。

言葉がなくても、「ここは安心できる場所」そんな気持ちが育っていることを、表情から感じられるようになりました。

職員として感じた変化

言葉がなくても、心は通じ合える。

表情が和らいだ瞬間、スタッフ自身も包み込まれるような幸せな気持ちになりました。

学校と家庭以外の社会の中で、“自分の居場所を見つけていく変化”を感じています。

「もっとこんな経験を届けたい」そんな想いがさらに強くなりました。

保護者の声

「家では見たことのない表情を、連絡帳を通して見ることができました。普段させてあげられない経験をたくさんさせてもらえて良かったです。」

また、利用を通して、お母様の表情が少しずつ柔らかくなり、「学校に通っているもう1日も利用したい」と前向きなお声も聞かれるようになりました。

おわりに

がじゅまるで過ごす時間は、お子さまにとっての新しい社会体験であると同時に、ご家族がホッと一息つける時間にもつながっています。

これからも、「何かあれば頼れる場所」として、ご家庭とともに歩んでいきたいと考えています🌈✨️

次回の「子どもたちの成長の一コマ」も、ぜひ楽しみにお待ちください🌱

がじゅまるの木は、医療的ケア児・重度心身障がい児を対象とした児童発達支援・放課後等デイサービスです。

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